楽天証券の投資信託保有ポイントの改悪について

楽天証券の投資信託のもらえるポイントが改悪されたのをご存じでしょうか?

実は、2021年12月27日に最悪のニュースが飛び込んできました。

それが楽天の投資信託保有ポイントが『ほぼ無くなる』というものです。

この記事では楽天証券の投信保有ポイントの改悪内容と対策について解説します。

この記事を読むと今後の投資信託の戦略を立てる事ができるようになります。

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楽天証券とは

楽天証券株式会社は、インターネット専業の証券会社の事です。

2019年3月末、総合口座数320万口座、預り資産は5兆円を超え、海外ETFも取り扱っている優良証券会社のひとつです。

楽天経済圏の3種の神器のひとつであり、業界1位のSBI証券に迫る勢いで口座数と運用金額を伸ばしてきました。

◆楽天経済圏について

◆楽天3種の神器について

投信保有ポイントの改悪

楽天証券には楽天銀行と連携させる事で、投資信託を持っているだけで毎月楽天ポイントがもらえるハッピープログラムという制度がありました。

2021年12月27日に、その毎月もらえる楽天ポイントを見直しますという最悪の発表が公式サイトに掲載されました。

その内容は以下のとおりです。

 

投信ポイントの進呈内容

毎月末時点の投資信託の残高が、2022年4月末以降にはじめて下記の一定の金額に到達した場合に、所定の楽天ポイントを進呈いたします。

達成残高 進呈ポイント
月末時点の残高が、はじめて10万円に到達した場合 10ポイント
月末時点の残高が、はじめて30万円に到達した場合 30ポイント
月末時点の残高が、はじめて50万円に到達した場合 50ポイント
月末時点の残高が、はじめて100万円に到達した場合 100ポイント
月末時点の残高が、はじめて200万円に到達した場合 100ポイント
月末時点の残高が、はじめて300万円に到達した場合 100ポイント
月末時点の残高が、はじめて400万円に到達した場合 100ポイント
月末時点の残高が、はじめて500万円に到達した場合 100ポイント
月末時点の残高が、はじめて1000万円に到達した場合 500ポイント
月末時点の残高が、はじめて1500万円に到達した場合 500ポイント
月末時点の残高が、はじめて2000万円に到達した場合 500ポイント

引用:楽天証券【楽天銀行・ハッピープログラム】ポイント進呈条件の変更に関するお知らせ

  • 月末時点の残高が初めて10万円に到達した場合10ポイント
  • 月末時点の残高が初めて30万円に到達した場合30ポイント
  • 月末時点の残高が初めて2000万円に到達した場合500ポイント

上記のような形になっています。

これまでとの大きな違いは、『毎月もらえてたものが、生涯で一度しかもらえなくなる』という部分です。

ここまでの改悪は見たことがありません。

到達済の人は一度ポイントはもらえない

さらに驚きなのが、2022年4月になった時に2000万円以上残高を持っている場合、ポイントが一度だけもらえると思いきや、『すでに到達した分はもらえない』という仕組みのようです。

ポイント進呈の対象となる該当残高を2022年4月末以降にはじめて達成した場合のみのポイント進呈となります。2022年3月末時点で投資信託の残高を保有されている場合は、2022年3月末時点の残高を基準とし、2022年4月末時点ではじめて該当残高を達成したかどうかを判定します。
(例)2022年3月末時点で残高100万円保有しており、2022年4月末時点でも残高100万円を保有していた場合、2022年4月末時点で100万円をはじめて達成したことにはならないため、ポイントは付与されません。(次のポイント進呈の対象となる200万円を達成した場合にポイント進呈となります)

引用:楽天証券【楽天銀行・ハッピープログラム】ポイント進呈条件の変更に関するお知らせ

しっかりとホームページに小さく書いてありますので勘違いしないように注意しましょう。

さらに昨今リリースされたばかりの楽天レバナス等もポイント対象外となっているようですので、逆になんならポイントもらえるの?と聞きたくなるレベルです。

他社のポイントサービスを下回ってしまいましたので、投資信託を2022年4月までに他の証券会社口座に移管した方が賢明な状況となってしましました。


さらに楽天は、2022年12月27日に楽天銀行の金利の引き下げの改悪も発表しました。

楽天モバイルの基地局を大量に整備しなきゃいけないにも関わらず、1Gまで0円で使い続けられるプランや、楽天Linkアプリを利用した通話料無料の大盤振る舞いがかなり効いているとしか思えません。

楽天証券とSBI証券の比較

今回の見直しで楽天証券とSBI証券のポイントの内容は、どのように変わってしまうのでしょうか。

各証券会社の『クレジットカードによる積み立て投資』と、『投信保有ポイント』を横並びで見たものが下の図になります。

クレジットカードのポイントだけに着目すると、楽天証券が上回っているように見えますが、やはり投信保有ポイントが最大で2090Pの一回切りなので、保有資産が増えれば増えるほどSBI証券にいつか抜かれてしまします。

  • 楽天証券は、毎年6000ポイントがもらえる
  • SBI証券は、毎年3000ポイントがもらえて、さらに0.022~0.2%のポイントが付与

これはかなりの差になります。

SBI証券でもらえる保有ポイント量

ではSBI証券でもらえる保有ポイント量はどのくらいなのでしょうか?

eMAXIS Slim S&P500(付与率0.0374%)をモデルにしてシミュレーションしてみます。

  • 100万円保有で年間374P
  • 1000万円保有で年間3740P
  • 2000万円保有で年間7480P

さらに投資信託の複利の力を利用する事で、10~20年で残高も増える為、さらなるポイント付与が見込まれます。

またポイント付与率がさらに高い商品だともっと差が出て来ます。

iFreeレバナス(付与率0.2%)で残高が1000万円以上の場合のシミュレーションです。

  • 100万円保有で年間2000P
  • 1000万円保有で年間20000P

このポイントが楽天証券だともらえなくなる事を考えるとかなりの差であると言えます。

SBI証券のポイント改悪リスク

ここまでSBI証券の方が状況が良いという話をしてきましたが、SBI証券にもポイントを改悪するというリスクは存在します。

特に楽天が脱落した今、これ以上の企業努力をする必要がなくなり、自らもポイントを下げてくる可能性は十分にあります

ただし2012年から現在まで、投信のポイントは0.1~0.2%を維持しているので、しばらくは大丈夫だと考えられます。(一部低コストファンドを除く)

SBI証券の救済ニュース

楽天の証券のBADニュースが出た翌日の2021年12月28日に、SBI証券が狙いすましたように朗報を発表しました。

それが「SBIプレミアムチョイス」および「投信お引越しプログラム」開始のお知らせです。

目玉となるキャンペーンは下記の2つです。

  1. 「投信マイレージサービス」のポイント付与率(年率)を恒常的に25%または50%引き上げ、「残高1,000万円以上の場合0.25%」「残高1,000万円未満の場合0.15%」
  2. 投資信託の移管入庫にかかる手数料を当社が負担するキャンペーンを2022年1月から恒久化し、「投信お引越しプログラム」としてサービスを提供します

特に2つ目の事項が、完全に楽天証券の弱体化した部分を狙ってきてます。

ここから取れる対策を2つ紹介いたします。

楽天証券の投資信託をSBI証券へ移管する

まずもっとも簡単なのが、楽天証券で保有している投資信託をSBI証券に移管する事です。

今回のキャンペーンで、本来1商品あたり移管する為には3300円(税込み)がかかる所を、この先ずっと手数料分をキャッシュバックしてくれるというものです。

あきらかに楽天証券からユーザを奪い取ろうという策略が見て取れます。

NISA口座をSBI証券に変更する

移管手数料が実質無料といっても、NISA、つみたてNISAで購入した商品は移管できません。

なので一度NISA口座で保有している商品を売却するか、そのまま保有しつづけて、2023年度からSBI証券でNISA口座を活用するように変更手続きをして下さい。

SBI証券へNISA口座を変更する方法はこちらからご確認ください。

まとめ

いかがでしたか?

今回は楽天証券の投信保有ポイントの改悪ニュースと、対策方法について解説しました。

さすがに今回の改悪は、せっかく獲得した楽天証券ユーザと金融資産を、他社へ奪われてしまいかねない愚策です。

そのため楽天証券の経営陣が考え方を見直し、2022年4月を迎えるまでに変更があるかもしれません。

引き続き動向を見ていきたいとおもいます。

それでは、またお越しくださいませ~

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