DX化とIT化の違いについて(メリットや推進のポイント)

最近の流行のDX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、IT化と何が違うのか分からないと感じている人はいませんか?

実はDX化とIT化には明確な違いがあります。

この記事では、DX化とIT化の違いを初心者の方でもわかりやすいように解説します。

私は現在、大手通信会社でDXの推進業務に従事しております。

この記事を読むとDX化とIT化を理解した上で効率的にDX化を推進できるようになります。

またDX化のメリットやDX推進のポイントなど、より実務に役立つ情報も解説します。

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DX化とIT化の違い

DX化とIT化の違いは、結論、デジタル化を『手段』と捉えるか、『目的』と捉えるかにあります。

  • DX化:デジタル化を「手段」として、製品・サービス・ビジネスモデルの変革を進める事
  • IT化:業務効率化を「目的」として、デジタル化を進める事

つまり、IT化はDX化を実現する際の手段の一つなのです。

IT化はDX化を達成する為の通過点のようなイメージを持つといいでしょう。

このように、DX化とIT化は一見すると同じに見えますが、全く意味が異なります。

より理解度を深めるため、DX化とIT化についてそれぞれ簡単に紹介します。


DX化とIT化のメリット

ではDXとIT化のそれぞれの特性は何なのでしょうか?

  • DX化とIT化に共通するメリット
  • DX化のメリット
  • IT化のメリット

以上の3つについて解説していきます。

DX化とIT化に共通点

DX化とIT化のメリットで代表的なものは、生産性・業務効率の向上です。

ここで具体例を2つ挙げます。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用による、事務作業の自動化の実現
MA(マーケティング・オートメーション)を活用し、顧客へのメール配信や顧客の優先度を順位化する事による、効率的なマーケティング活動の実現

このように、DX化とIT化は生産性・業務効率のアップにつながるのです。

DX化のメリット

DX化のメリットは2つあります。

1つ目が新たなビジネスの創造です。

DX化は、新たなビジネスの創造につながります。

具体例としては以下のとおりです。

患者が服薬するタイミングなどのデータを収集し、センサーで処方薬の飲み忘れを防ぐ(大塚製薬)事により、病状の悪化を防ぐ事が可能。広い視野で捉えると医療費・介護費といった社会保障費の削減につながる

このように、DX化は既存業務の効率化だけでなく、新たなビジネスの創造という大きな可能性を秘めています。

2つ目は既存システムを使い続けるリスクの回避です。

既存システムの継続使用には実はリスクがありますが、DX化により回避できます。

サイバー攻撃やインターネット上に存在するウイルスの脅威にさらされるリスク、運用保守コストの増大に伴う、IT人材投資が確保できないリスク

DX化は上記リスクを解決するためには、老朽化や破損した既存システムを新しいシステムや同等の機能をもつ別のシステムに変更することが挙げられます。

このように、DX化により長年の機能変更などで複雑化した既存システムを刷新することで、リスクを回避できます

IT化のメリット

次にIT化のメリットです。

まずは情報管理・共有の利便性アップです。

ITツールの導入により、情報の管理や共有が非常に簡単になります。

書類などを紙で管理している場合は、必要な資料を見つける事や分類に苦労したりと不便なことが多いでしょう。

しかし、アナログな情報のIT化により、「いつでも、どこでも簡単に」書類を確認・管理・共有できます。

また、データはクラウド上に保管されるため、紙での保管のように場所も取りません

さらに、今までは職場にいないと確認できなかった情報に自宅などからアクセスできるため、テレワークにも対応できます。

DX化を推進する3つの重要なポイント

DXを推進するうえで重要なポイントは以下の3つです。

  • DX化を推進するIT人材の育成
  • ITシステムの構築
  • 社内の組織改革

それぞれについて解説していきます。

DX化を推進するIT人材の育成

「DX化を推進するIT人材が不足している」ことが日本のDX改革を妨げる原因の1つとなっているため、早急にIT人材を育成する必要があります。

ただ、DXを推進するためには、以下の3つが必要です。

  • 基礎的なIT知識
  • データの重要性の理解
  • UI・UX志向

DX化には多種多様なスキルが必要であるため、社内に適任者がいない場合もあるでしょう。

その場合は中途採用をしたり、社内の人材にITスキルの研修を実施することで未来のIT人材を育成したりといった取り組みが必要です。

ITシステムの構築

DXを推進するためには、各部署でバラバラなITシステムを社内全体で統一することが重要です。

なぜなら、各部署で異なるITシステムを利用していると部署間のデータ連携がうまくいかず、データのビジネスへの活用ができないためです。

具体的にどうやってITシステムを構築するかですが、以下3つの選択肢が想定されます。

  • 外部のベンダーにシステム開発を発注
  • 既存の外部システムを新しく活用
  • 自社でシステムを開発し運営

社内の組織改革どの選択肢であっても、外注費用やシステム利用費など、ITシステムの構築には多額のコストがかかることは留意しておきましょう。

DXの推進には現場(各部署)の協力はもちろん、経営トップのコミットメントも必須です。

経済産業省の「DX推進ガイドライン」でも経営トップのコミットメントの重要性が指摘されています。

DX成功のためには、経営トップが「DXでどのような価値を生み出し、どのようにビジネスを変革するのか」を明確にすることが重要なのです。

なお具体的なDXの進め方については下の記事で詳しく解説しています。



まとめ

いかがでしたか?

今回はDXとIT化の違いやメリット等について解説しました。

今後の日本社会においてDX化は避けられない至上命題となっていますので、早めにこの概念を理解して、実業務に役立てるようにしましょう。

それでは、またお越しくださいませ~

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