家に置く事が減ってきた固定電話ですが、将来どうなるかご存じでしょうか?
実はワイヤレス固定電話というものが新たに提供されて、徐々に置き換わる予定です。
この記事ではワイヤレス固定電話について紹介します。
私は現在、某通信系企業に勤務しております。
この記事で、従来の固定電話とワイヤレス固定電話の違いが分かります。
固定電話の種類
固定電話には2種類あります。
一つ目は光ファイバーを利用しているものです。
代表的なのNTT東日本とNTT 西日本が提供するひかり電話で、フレッツ光というアクセス回線サービスを利用したIP電話です。
二つ目は、メタル線を利用したアナログ電話です。
こちらがいわゆる昔ながらの固定電話になります。加入電話やINS64といったNTT東日本と西日本が提供するレガシィの固定電話です。
なおひかり電話と光回線電話がよく混同されがちですが、全く異なる仕組みです。
詳しくはこちらの記事で解説していますので興味のある方はぜひご覧ください。
ワイヤレス固定電話とは
ワイヤレスの名の通り、”線”で繋がる事の無い電話サービスです。電話機周りの線が綺麗になくなります。
線がないのにどうやって固定電話サービスを提供するのというと、携帯電話と同じく無線通信を利用して提供されます。
利用する端末がスマホやガラケーではなく、固定電話用の電話機という違いなだけです。
端末が今まで通りなので余計に分かりにくくなってしまうのが特徴ですね。
2020年12月2日総務省から、下記のような報道発表がありました。
【出典】総務省HP 広報・報道発表資料
お経みたいなタイトルで全然頭に入ってこないですが、法律は国民に簡単にわからないように敢えて難しく書いてる事が多いです。
要約すると、NTT東西が他の通信会社設備を使って、電話サービスを提供できるようにするという事で、これが国会に提出され可決成立後に、令和2年5月22日(金)に公布された所です。
これに対する意見募集を行うというのがこの報道資料の趣旨となります。
例えば同じNTTグループのドコモの無線通信設備。
ドコモはNTTと名前がついてますが、NTT東西とは別会社であり別な設備を持っています。
このドコモの設備は、これまでNTT東西が利用することはできませんでしたが、それを利用できるように変えるって事です。
NTT東西は設備利用の制限や営業の仕方など、かなり厳しく法律で縛られていますので、
変化にはこういった法改正が必要なんです。
なぜワイヤレス固定電話が必要なの?
NTT東西がワイヤレス固定電話の提供を検討している背景とは何なのか。
ずばり、メタル線の維持限界が近づいてきているのが原因です。
NTT東西2社の業務は地域通信。従来型の固定電話の提供義務があり、NTT東西は自らの設備で固定電話を提供しなければなりません。
電電公社時代の設備を継承しているので、これは当然の責務です。
しかし時代は大きく変わり、移動通信いわゆるモバイル通信が中心となってきました。
昨今では楽天モバイルを始め様々な格安プランを各社が展開してます。
詳しくは下の記事でも解説していますので興味があればご覧ください。
通信も IPが主流の今、固定電話についても光ファイバーを使ったIP固定電話のほうが主流です。
昔ながらのメタル線を使った固定電話の利用者は激減しています。
全国津々浦々に張り巡らされたメタル線の利用率は、年々悪化の一途をたどり、メタル線を取り扱いできる技術者もどんどん減っています。
従来の固定電話を支える設備をつくることのできるメーカーも減っており、もはやお金があれば解決できるという問題ではなくなっています。
しかしどんなに利用者が減っても、ユニバーサルサービスである加入電話を、NTT東西は提供し続けなければなりません。
NTTは不採算と分かっていても、電話が欲しいと言われたら、
救急車や消防車を呼べる通信環境を用意しなきゃいけないんだね
光ファイバーを張ればいいのでは?
光ファイバーは、NTT民営化後に構築されているもので、メタル線のように全国どんな場所にも提供されているというものではありません。
ではなぜすべての場所に光ファイバーを引かないのか?
ずばり光ファイバーを構築するには、ものすごいお金がかかるからです。
さすがのNTTも投資を回収できない山間部や離島部には、
光を引けないってわけですね。
なので光ファイバが引けないエリアには、メタル線が当面維持されることになりました。
しかし光は全部に張れないけど、メタル線の維持限界が近づいています。
一体どうすれば良いのか??
そうこの救世主こそがワイヤレス固定電話というわけです。
人口が少なく光ファイバーを敷設するのにどうしても経済性に見合わないエリアについて、今回の法改正でワイヤレス固定電話を提供することができるのは、こうした山間部や離島エリアといった限られたエリアのみとなります。
近い未来、電話線が無い家というのが見れる時代が来るのです。
2022年2月4日NTTドコモが、モバイルネットワークを利用した固定電話サービスである『homeでんわ』を発表しました。
いよいよ本格的にワイヤレスの時代が始まりつつあります。
詳しくは下の記事で解説していますので参照してください。
光エリアの確認方法
ワイヤレス固定電話は、光ケーブルが張れないような山間部などの不採算エリアに適用される見込みがあります。
では自分の家が光エリア化どうかはどうやって調べればいいのでしょうか?
これはNTT東西それぞれのページから確認する事ができます。
NTT東日本はこちらから
NTT西日本はこちらから
このホームページでご自身の住所を投入する事で、フレッツ光が提供できるか判定する事ができます。
ただしこのサイトの作りや判定結果が、若干分かりづらい表記になる事がありますので、困った時は下の記事を参照してください。
家の周りが光エリアになっているからと言って、自分の家も光エリアなっているとは限りませんので注意しましょう。
光エリアになっていない場合でも諦めるのは早いです。
他の代替手段として、無線を使った高速インターネットサービスが存在します。
例えばドコモが提供している『home 5G』です。
こちらは契約さえしてしまえば、電源コンセントに差すだけで、開通工事不要でその日から高速インターネット通信が利用できます。
ご自身のエリアがフレッツ光のエリアになっていない方は、ワイヤレスのインターネットサービスも視野にいれて検討してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
ワイヤレス固定電話が導入される背景と今後の展望についてご理解いただけたかと思います。
まだ光ファイバーが来ていないルーラルエリアの人達も、電話の環境は今後も維持されるし、NTT側もコストを抑えながらサービスを提供できるためWinWinな将来が迫っていますね。
それでは、またお越しくださいませ~
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