YouTubeで動画投稿をしたいけど、著作権法違反で逮捕されるかもしれないと不安で悩んでいる人はいませんか?
実はYouTubeでは動画のアップロードとダウンロード(視聴)をするにあたって、合法と非合法のルールが存在します。
本記事では、YouTubeの利用規約や著作権法の観点から、何が違反になるのかを詳しく解説します。
私は動画編集の講師を務め、現在通信業界でマーケティングの仕事に携わっております。
この記事を読むとYouTube動画の著作権に関するルールがわかります。
YouTube動画はダウンロードして良いのか
結論から言うと、YouTubeに投稿されている動画をダウンロードする行為は、NGです。
理由は、YouTube利用規約には下記のような記載があるからです。
ただし特例的にダウンロードする方法も存在します。
それが以下の3つの手法です。
- YouTube規約を遵守する事
- クリエイティブ・コモンズライセンスが付与された動画をダウンロードする事
- YouTube Premium(プレミアム)のダウンロード機能を使う事
詳しくは別の記事にまとめてありますので参照してください。
違法ダウンロード行為は逮捕されるのか
では実際に違法なダウンロード行為をした場合、逮捕されてしまうのでしょうか?
これは非常に難しい問題で、逮捕される場合とされない場合が混在しており、状況によりけりというのが実態です。
その理由を解説いたします。
違法ダウンロードは親告罪
違法ダウンロードは被害者の告訴を起訴要件とする『親告罪』です。
これは著作権法123条に相当します。
著作権は、著作人格権、出版権などの個人の権利を守ることを目的としており、権利が侵害された場合に刑事責任を追及するかどうかは被害者等の告訴権者の判断にゆだねられています。
特に著作者が自己の創作物の周知や利用を望む場合には、たとえ違法ダウンロードであっても不問に付したいと考えるケースもあります
したがって、被害者である著作者等の告訴権者が告訴しない限り、逮捕はされません。
告訴がなければそもそも裁判にはならず、結果的に逮捕も不要となるのです。
違法ダウンロードの立証の難しさ
被害者の著作者が刑事責任を追及したいと考え告訴した場合、すぐに逮捕につながるのでは無く、証拠集めの手間が存在します。
違法ダウンロードとして罪を立証するには「違法アップロードされたものと知っていた」という故意、つまり本人の主観に関する証拠を集める必要がある為です。
証拠というのは、実際にダウンロードした画像や音楽などが、保存されている事をあらゆる電子媒体から確認する事です。
違法ダウンロードを行っている人はそれこそ数え切れないのが現状です
理由は一人ずつ特定して、しかも故意に関する事実を漏れなく確認することは現実的に困難だからです。
しかし状況は変わってきています。
- 平成24年の著作権法改正
- 平成30年の一部非親告罪化
- 令和2年の違法ダウンロードの刑事罰化
- 令和3年1月からの規制範囲拡大
このような厳罰化の流れが大きくなっていく中、警察も警戒を強めているのが現状の為、今後も逮捕されることはないとは言えない状況である事を認識しておきましょう。
違法ダウンロードで逮捕されない対策
一般的な利用方法として動画の視聴には、ストリーミングとダウンロードの2種類がありますが、特段区別も気にせず動画を楽しむ人がほとんどでしょう。
しかし違法行為である以上、逮捕される可能性があるのは否定できません。
ここでは違法ダウンロードで逮捕されない為の対策について解説します。
ダウンロード動画を削除
違法ダウンロードによって電子媒体にデータを保存したうえで動画を再生することは、著作者の持つ複製権を侵害します。
そのため保存したデータは削除しなければなりません。
もしウェブから自分のPCにダウンロードしてしまった場合は、速やかにに削除しましょう。
正規サービスを利用
違法アップロードされたコンテンツには、極力近寄らないことが重要です。
利用前に、たとえば一般社団法人日本レコード協会が発行する「エルマーク」があるかどうかを確認するなどして、正規の配信サービスの利用を心掛けましょう。
引用:一般社団法人 日本レコード協会
データ共有ソフトを使わない
ファイル共有ソフトにはダウンロードと同時にアップロードするタイプがあります。
ひと昔前に流行したwinnyやBitCommet等の違法ソフトがこれらに該当します。
他にもWebでファイル共有をするような悪質サイトもありますので、本人は気づかずにダウンロードしたら、違法アップロードの罪まで犯している可能性があります。
違法ダウンロードしたデータは直ちに削除し、共有しないように注意しましょう。
著作権法と罪になる具体的ケース
著作権の厳罰化については、平成22年に民間機関が行った調査に遡ります。
その調査によると違法配信サイトからの年間ダウンロード数は、正規有料サイトの音楽配信数の約10倍にも上りました。
この調査によりアップロード行為のみを刑罰の対象にしても、ダウンロードを求める人がいる限り、著作権の保護としては不十分という事実が明らかになったのです。
その為、平成24年10月から違法ダウンロードについても刑罰の対象になりました(著作権法119条)。
著作権法違反に問われる具体的なケースは以下の通りです。
違法アップロード
以下のように、映像や音楽を著作権者の許可なく用いてインターネット上に投稿する行為です。
- 録画したテレビやアニメを投稿
- 漫画を自分でスキャニングして投稿
- 購入したCDから選曲した音楽を動画のBGMとして使用
このような動画を違法にアップロードされたと知った上で、ダウンロードする事も違法となります。
また昨今では以下のような行為も違法になっています。
- ダウンロードしたものをSNSやYouTubeのアカウントを通じて伝達する行為
- ダウンロードしたものを販売・貸与する行為
- ダウンロードしたものを編集し改変を加える行為
つまり個人視聴の範囲を超えて他者に見れる事をしてしまうと一発アウトという事を覚えておきましょう。
違法動画を視聴するのは有罪か
違法動画と知りながらYouTubeなどの動画サイトを視聴すると罪になるのでしょうか。
これは視聴方法によって異なります。
ダウンロードとストリーミングの違い
動画の視聴方法には、大きく分けて2つの種類があります。
ダウンロード:いったんパソコンやスマートフォンなどに保存して再生する方法
映像や音声を再生する際には大容量のファイルを必要とするため、ダウンロード再生はデバイスのストレージにすべてのファイルを保存したうえで再生が行われます。
このファイルは一時的なものではなく、ユーザーが削除しない限り保存された状態です。
再視聴するときもインターネットに接続する必要はありません。
ストリーミング再生:ダウンロードと再生をほぼ同時に行える再生方法
YouTubeの視聴はこのストリーミング再生で行われるのが一般です。
一時的な保存形式のため、再生が終了すれば自動的に削除されます。
ストリーミングも違法か
前述の通り、違法コンテンツのダウンロードは著作権違反です。
しかしストリーミング再生はダウンロードを要素とするものの、一時的な保存形式であるため著作権を侵害するとはいえません。
そのため政府広報オンラインでは、単なる視聴は罪にはならないとしています。
しかしこれは文化庁の見解であり、裁判所の解釈によっては違法になる可能性もあります。
明らかに違法コンテンツとわかっている動画を視聴するのは控えた方が無難でしょう。
まとめ
違法ダウンロードは有料のコンテンツを無料または不当に安い料金で利用するもので、犯罪行為です。
またYouTubeの利用規約でも禁止されています。
昨今の著作権法の規制強化の流れから逮捕される可能性は今後も上がり続けます。
個人利用の範囲を超えて、動画を違法ダウンロードしないようにYouTubeライフを楽しんでください。
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